Gemini APIで記事作成や問い合わせ対応を自動化している人は、AIに渡す内容だけでなく、そのリクエストを保存する設定も確認したいところです。Googleは2026年10月26日、Generate Content APIを使う新規の有料プロジェクトで、リクエスト保存を初期設定で有効にする変更を案内しました。既存プロジェクトの設定は維持されます。すべての利用者の設定が一斉に変わるニュースではありません。
何が変わった? 対象は「新規」「有料」「対象API」
Gemini APIの公式更新履歴によると、対象は文章などを生成するGenerate Content APIです。通常の生成に加え、結果を順に受け取るストリーミング生成や、まとめて処理するバッチ生成も含まれます。新規の有料プロジェクトでは、保存を示すstore=trueが標準になります。
一方、既存プロジェクトは現在の設定を引き継ぎます。「新しいAPIキーを作った」という事実だけで、新規プロジェクトと同じだと判断しないことが大切です。APIキーは接続に使う鍵、プロジェクトは設定や利用をまとめる単位、と分けて考えると整理しやすくなります。今回の変更を、一般向けGeminiアプリの会話履歴や、無料枠全般の変更と混同しないようにしましょう。

ログは何のために見る? 自動化の原因調査に役立つ
APIは、アプリやGASなどのプログラムからAIへ依頼するための窓口です。ログは、そのやり取りを後から確認するための記録です。Googleのログとデータセットの説明では、AI Studioで入力や応答を確認し、動作の観察やデバッグに役立てる使い方が案内されています。ログ保存機能は有料プロジェクト向けです。
例えば、記事の見出しが想定と違ったとき、送った指示と返ってきた文章を比べられれば、原因を探す手掛かりになります。ただし、ログがあるだけで品質が保証されるわけではありません。元のニュースが正しいか、指示が十分か、公開前に人が確認したかは、別に確かめる必要があります。
保存したくない場合は、どこを確認する?
公式資料では、AI StudioのLogs and Datasetsの設定画面で、プロジェクトの保存動作を変更できます。また、対応するリクエストではstore=falseを指定でき、個別の指定がプロジェクトの設定より優先されます。SDKを使う場合は、その指定に対応するバージョンか確認してください。
GASなどで自作の仕組みを使っている場合も、まず接続先のプロジェクトと呼び出しているAPIを確認するところから始めるとよいでしょう。別のプロジェクトの画面を見て「無効だから大丈夫」と判断すると、実際の処理と食い違う可能性があります。変更前の状態をメモし、公開用ではないサンプル入力で確認してから本番へ反映する、という順番なら、設定の取り違えを見つけやすくなります。この記事では個別のGASコードや管理画面を操作していません。

注意点:ログ保存と、学習への利用は分けて考える
保存を有効にすることと、データを学習用に共有することを同じ意味に捉えないことも重要です。ログ資料には、選んだデータセットをGoogleへ共有する機能も別に説明されています。また、Gemini APIの追加利用規約では、有料サービスの入力・応答を製品改善へ使う扱いと、安全確保などのために一定期間記録する扱いが区別されています。store=falseだけで、サービス側のあらゆる記録がなくなると解釈することはできません。
実務では「内容の調査に必要な記録」と「入れる必要がない情報」を先に分けておくと、運用しやすくなります。例えば、公開済みのニュースと記事作成用の指示を使うテストに、顧客名や非公開資料まで含める必要はありません。保存を使う場合も、共有や閲覧の範囲を確認しておくと、後で扱いに迷いにくくなります。
今回のニュースで、まず見直したいこと
確認したいのは、利用中のプロジェクト、課金区分、対象API、保存と共有の設定です。新しい有料プロジェクトへ移行するときは、以前と同じコードでも初期設定の違いがあり得ます。モデル名や料金だけでなく、記録の残り方も移行時の確認項目に入れる。それが今回の変更を自分の自動化へ生かすポイントです。
この発表は保存動作の変更であり、新しいモデルの料金発表ではありません。利用料はモデルや処理に応じて別途確認してください。対象に当たるか不明な場合は、実際のプロジェクト設定と最新の公式資料を照らし合わせましょう。
出典・確認日
発表日:2026年10月26日。確認日:2026年10月27日。図はAI生成による概念図で、実際の設定画面ではありません。