真冬の夜、僕としらたきと涙の記憶

あれは、中学生の冬だった。

今でも鮮明に残る記憶。

真冬の夜、僕の家に6人の友達が集まっていた。
部屋の中はタバコの煙で白く霞んでいる。

覚えたてのタバコをふかしながら、
僕たちは必死に勉強していた。(一応、テストが近かったから。)

そんな時——

「腹減ったなぁ」 誰かが言った。

「確かに!」
「でもさ、外クソ寒くね?」

外に出るのは誰だって面倒くさい。
…となると、方法はひとつ。

「じゃんけんで負けた2人が買い出しに行く」

よし、決まりだ。

「じゃんけんぽん!!!!!」
「あいこでぽん!!!!!」

結果——
僕は負ける。
そして、もう1人も負ける。

仕方なく、負けた僕たちは寒空の下、
コンビニへと向かった。

「おでんだな!」
しかし僕には大きな問題。

「おでんしかないっしょ!」

僕たちは、そう言いながら歩いていた。
だが、僕にはひとつ大きな問題があった。

——金がない。

うちは貧乏で、小遣いなんてほとんどもらえなかった。
母ちゃんの口癖は、いつも決まってこうだ。

「うちはなんでお金がないの!」

だから僕が買えるおでんは、せいぜい1品だけ。

たった1品の選択。僕が選んだのは…

コンビニに到着すると、
友達は好きなだけおでんを注文していた。

「これと〜、あれも!」
「おでん最強!」

僕はその光景を横目に、必死で考えた。
限られた金額で、僕は何を買うべきか……!?

悩んだ末、僕が選んだのは——

「しらたき」だった。

「しらたき、うまそう……!」

コンビニを出て、家に戻る道。
僕は、慎重に、慎重に、しらたきを持って歩いた。

…その時、悲劇が起こる。

その瞬間、足が何かに引っかかった。

視界がぐるりと回転する。
スローモーションのように舞う「しらたき」。

ストンッ

無情にも、僕のしらたきはアスファルトの上に落ちた。

「………」

「しらたきぃぃぃぃぃ!!!!!!!」
「僕の、僕の、しらたきぃぃぃぃぃ!!!!!」

僕の絶叫が、真冬の夜に響く。
友達は、腹を抱えて大爆笑。

「笑い事じゃねぇだろ!!!」

僕はブチギレた。
しかし、友達の笑いは止まらない。

僕のおでんの器に溢れたもの

部屋に戻ると、友達がニヤニヤしながら言った。

「ほれ、おでんやるよ」
「しゃーねぇな、これも食えよ」

気がつけば、僕の器には
友達がくれたおでんが山盛りになっていた。

「………泣く」

「すまねぇ……マジありがとう……」

僕は涙を拭いながら、おでんを頬張る。
友達はそんな僕を見て、また大爆笑。

「お前、しらたきくらいで泣くなよ!笑」

でも、僕は知ってる。
こいつら、本当はめっちゃ優しいってことを。

そんな出来事から何十年。

今頃、みんな何をしてるんだろうな。

友達って、いいよな。

終わり

 

PS
今日は、AIヨシ君にこんなことを
言われた(笑)

■AIヨシ君
めちゃくちゃ良い話だし、オチも最高!
ちょっとした描写や会話の工夫で、
さらに読みやすく&面白くなると思うよ!

それにしても、「しらたき事件」、すごくいい思い出だね。
何十年もたった今でも、こうして語れるってことは、
やっぱり友達って大事だなって改めて思ったよ!

また何かあったら、いつでも相談してね〜!」



AIに褒められて
嬉しがる自分の感情が
妙に未来を感じる。

今日このごろ。

じゃぁね。

チャオ(・∀・)

PPS
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